株式会社ヤノテック

「守破離」で技術を磨き、目指すは唯一無二の機械メーカー。
素顔は、心優しき愛猫家。

代表取締役専務

矢野 嗣人

入社当時のことを教えてください。


高校3年生の時からヤノテックで少しアルバイトをしていて、19歳で入社しました。当初は旋盤などの加工を行っていました。入社して間もないころだったと思いますが、徹夜の仕事があったんです。父親(現相談役)たちと一緒に僕も現場に行ったものの、まだ技術がなかったので、ずっと夜通し、ただ灯りを持っていました。夜中の4時位までかかったでしょうか。機械は無事に直って、先方の社長さんが僕にもお礼を言ってくださったんです。「ありがとうございました」と。自分は灯りを持っていただけなのに、お礼を言ってもらえた。でも、やっぱり自分も技術を身に付けて、本当の意味での「ありがとう」を言ってもらいたい。その時の思いが糧になって、今の自分があるような気がします。


スキルアップのために努力してきたことは?


現場に出た時は、昼休みに機械の名前をメモして残し、修理が終わったら1枚ずつ写真を撮っていました。当時はスマホなんてありませんからね。会社に戻って、撮ってきた写真を貼り付け、次はこうする、ああするみたいな、自分なりのマニュアルを作るんです。会社の工場で作業する時は、居残りで溶接の練習をしたり、掃除をしたり、そういうことも地道にコツコツとやっていましたね。ヤノテックは技術を一つの売りにしている会社なので、お客様の信用を得るためには、社員一人ひとりの努力が必要だと思います。


お兄さんでもある社長はどんな存在ですか?


特に子ども時代は兄のことが大好きで、兄がバイクに乗ったら僕も乗るし、兄が髪を伸ばしたら僕も伸ばすし、兄の真似ばかりしていました。うちは剣道一家なんですが、剣道も兄と同じ小学校のクラブで、父が先生でした。兄は頭が良くて、僕はどちらかというとアウトローですが、引け目を感じたことは一切ありません。アウトローなりにできることはたくさんありますからね。それに、入社したての頃は、社長の息子という特別な目で見られるのがいやで、そう見られないように技術を高めて、僕自身を認めてもらおうと、ひたすら努力しました。兄と同じように、僕も27歳から約8年間、三菱重工に出向して機械のメンテナンスなどを学びましたが、それもいい勉強になりました。今は兄弟での共同経営ということで、兄に経営の方はある程度お願いして、僕は技術の現場サイドの取りまとめというふうに、一応役割分担はしています。


好きな言葉はありますか?


「守破離(しゅはり)」という言葉が大好きです。これは、剣道や茶道などで、修業における段階を示した言葉ですが、今の仕事の中で技術を身に付けることにも繋がっていると思います。まず「守」で、その技術を守っていく。教えてられたことを忠実に実行して身に付ける。その後は「破」、破るですね。経験を積み、現状の問題について考え、自分でいいと思うものを取り入れて発展させる。そして最後に「離」、つまり自分で考えてやれということです。僕は、人からこれをして、あれをしてと言われてやるのでは、仕事のおもしろみがないと思うんです。やっぱり自分で考えて、何でもチャレンジしていくのが楽しいですから。僕自身もそうですが、従業員にもそうあってほしいと思っています。


趣味は何ですか?


バイクもそうだし、ゴルフもするし、自宅で海水魚の飼育・鑑賞もします。子どもが車の免許を取ったので、ドライブに行きたいというのもありますね。あとは今、猫を4匹飼っているんですよ。1匹目は台風の日に僕の車のボンネットに入っていた猫で、2匹目、3匹目は保護猫の譲渡会から、4匹目は手のひらサイズの黒猫を拾ってきて、結局4匹になりました。


子どもたちも大きくなって相手をしてくれないので、家にいる時は猫と戯れて遊んでいます。ただ、やりたいことはいっぱいあるんですよ。時間ができれば、英会話も習ってみたいと思っています。


どんな人材に入ってきてほしいですか?


ガッツがあるというか、目に力がある人がいいですね。「何をやっているかまだよく分からないけれど、頑張ります!」というガッツがあれば、働きながら会社の経費で資格を取ることもできます。資格があれば、給料にも反映されるし、自分のスキルアップができるだけでなく、やる気も出てくると思います。


これからの夢や目標は?


共同代表として従業員の生活を守っていけるよう、どうすれば会社がより成長できるかを常に考えていかなければなりません。その責任を痛感しています。将来は、九州にヤノテックあり、さらに日本にヤノテックあり!といわれるような存在になりたいです。そのためにも、単品の機械ではなく、機械メーカーになることを目指していきたいと考えています。同時に新規事業の立ち上げや、新分野への進出にも全社一丸となって取り組んでいきたいと思います。